私は東京藝術大学在学中に油画と版画を専攻した後、世界を旅する事で、様々なインスピレーションを享受して来た。原始的でありながら洗練された世界に私はいつも惹かれてきた。ポストモダン主義やポスト構造主義は素材として私の表現言語を発展させ、また、色彩はいつも私の味方であり、私の思考と手を自由にした。無彩色と有彩色の彩りは画面を支配し、嵐のように吹き込み奇妙な形を成す。私の好む手法だ。インド、アフリカでの強烈な色彩とその文化に囲まれての生活は、私の可能性を大いに引き出した。それらは死後の世界や胎内に居た時の懐かしい記憶、また永遠に続く世界を妄想し、夢うつつに引き込む力を私に与えた。いや、それは長らく現実感を喪失してきた私の、もしくはすがる様な行為から必然的に生まれたものだったのかもしれない。訪れた地で歴史の重みはいつもクラクラするような目眩を伴い、私の眼前に突きつけられる。その情景は、人間の尊厳、呪縛、死、また排泄など、あまりにも普遍的で根源的な事柄だった。それを凝視する行為は私に重くのしかかり、ショッキングな残像を脳裏に焼き付けながらも血肉と化す。主観を排除し、イメージを可視化させ、表現に導いていく。この間、一連の形や、言葉、イメージが偶発する。着想に到達するまでにそれぞれはいつも強烈な色彩と線を伴って具象化が必要だった。さもなければそれらの体験や記憶のイメージ、また終わる事のない喪失感に飲み込まれ、永遠に故郷を失い途方にくれたまま、迷路をさまよい続ける出口のない恐怖に絡めとられそうだからだ。過ぎ行く瞬間は、私にとって非現実的であり、自らの回想の中でのみ状況は凍結し、現実となる。ある種の無感覚状態が自分にとって一番リアルな感覚という矛盾を長らく持て余してきた。私にとっての「つくる」行為とは、大きなエネルギーと隠喩を伴った視覚的な遊びまたは爆発行為である。矛盾や呪われた状況と闘いつつ、彩り鮮やかなイマジネーションと共に、無邪気でありながらグロテスクな過激さをカオスの中に包括するような、そんな蠱惑的な物語を作品に秘めたいと願う。
[個展]
2018 BEING, Eclecticaコンテンポラリー, ケープタウン 南アフリカ
2017 MULTIFINITY, David Krut Projects, ケープタウン 南アフリカ
2017 ORIGIN, ギャラリーノマル, 大阪 日本
2013 TRANS_formation_migration, ギャラリー545, バンガロール インド
2009 conversation 2, ラスチカス青山, 東京 日本
2008 conversation 1, タリーズ麹町, 東京 日本
[グループ展]
2022 GIRLS RUN THE WORLD, Eclectica contemporary, ケープタウン 南アフリカ
2022 Bermuda Open Studio 2, デン・ハーグ オランダ
2021 Bermuda Open Studio, デン・ハーグ オランダ
2020 Miracle, ギャラリーノマル, 大阪 日本
2019 tête-à-tête, ABSAギャラリー, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2018 Line and Gesture, Bag Factory Artist’s studio, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2018 Bag factory 版画, Turbineホール, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2018 All Stars, ギャラリーノマル, 大阪 日本
2017 Cell, Eclectica contemporary, ケープタウン 南アフリカ
2017 Investec art show サントン, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2017 Potch Ardklop Art Festival, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2017 POP UP exhibition, @First, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2016 Bag factory Artists Studiosオープンスタジオwith Gidion Appar, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2016 Artelesオープンスタジオ, Artelesクリエイティブセンター, Haukijärvi, フィンランド
2011 六本木着物フィエスタ, 六本木ミッドタウン, 東京 日本
2010 着物コンペティション, 二条城, 京都 日本
[アーティストインレジデンス その他プロジェクト]
2017 アーティストインレジデンス, David Krut Projects, ケープタウン 南アフリカ
2016 アーティストインレジデンス, Bag factory Artists Studios, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2016 アーティストインレジデンス, Arteles クリエイティブセンター, Haukijärvi, フィンランド
2011 ドレス制作 “Blue stream line”, 大阪 日本
2010 ファサード制作 "FOODS CONVERSARTION" カフェMANDUKA, 東京 日本
2006 “CAKE PROJECT” オンサンデーズ, 東京 日本
[参加アートフェア]
2019 Turbine Art fair, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2019 Investec Cape Town Art fair, ケープタウン 南アフリカ
2018 AKAA Art & design fair, パリ フランス
2018 Turbine Art fair, ヨハネスブルグ 南アフリカ
2018 Investec Cape Town Art fair, ケープタウン 南アフリカ
2017 アートフェア高雄, 高雄市 台湾
2016 アートフェア大阪, 大阪 日本
[パブリシティ]
2021 雑誌 ArteMorbida 11月8日号, Asuka Nirasawaインタビュー, イタリア
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2018 雑誌 SLOW magazine 9月号 表紙カバー写真、インタビュー掲載, 南アフリカ
2017 ウォールストリートインターナショナル紙 5月18日号 “MULTIFINITY”, 南アフリカ
2017 ジャパンタイムス 4月5日号 個展について“ ORIGIN” 日本
2013 デカン・クロニクル紙 10月21日号, インド
2013 ミラー紙 “Pop culture meets tradition" 10月15日号 インド
2006 雑誌 PowerMac 1月号CAKE PROJECT, 日本
2005 雑誌 an・an 11月号 CAKE PROJECT, 日本